透析

※合併症麻酔に一歩深い知識を



概要

腎機能が低下した患者の電解質や老廃物の排出を目的として行うものです。

注意点

① 腎機能低下が併発している

当然ながら透析を行っている患者には腎機能障害があります。腎機能低下・腎不全のページも参照してください。
当然ながら術前に腎機能低下に関連する合併症の有無を確認しておく必要があります。

② 麻酔法の選択

合併症がわかっていて腎機能を考慮した上でも可能ならいずれの麻酔法も可能です。
局所麻酔は貧血による頻脈や局所血流の増加によ理作用時間が短縮していることがあります。
硬膜外麻酔や脊髄くも膜下麻酔は透析時のヘパリンの影響がある場合には避けた方が無難でしょう。Th4~10までの神経ブロックで腎臓への交感神経刺激が抑えられ血流が保たれやすくなるメリットもあります。

③ シャント側ではルート確保をしないようにする

透析をするために皮下に動静脈シャントが作成されていることが多いですが、シャント側では動脈と静脈が混在しているため静脈ルートを確保しようとすると逆血してしまう可能性が非常に高いです。緊急時にやむを得ずシャントから静脈ルートを確保することは問題ありませんが、血圧の上昇が見込まれる場合には輸液バックの空気を抜いて圧バックで圧を加えるなど、工夫をする必要があります。
また、動脈ラインも測定数値が不正確になる可能性があります。これも避けた方が良いでしょう。

シャントが閉塞して長期間経過しているために静脈ルートとして使用できるようになっている場合もありますが、可能なら避けた方が良いでしょう。必要な場合は外科と協議の上ルート確保してください。

④ 透析を行うタイミングに注意

透析直後は電解質が不安定になっていることが多く、48時間以上経過すると水分が過剰になっていたり、高K血症を起こしてしまう場合があります。術前に透析を行うなら前日に行うことが望ましいです。

⑤ 輸血をするタイミング

貧血が強く術前に輸血の可能性が高い場合には高K血症に対応するため、透析中に行った方がベターであるとされています。術中に行う場合にはカリウム吸着フィルターなどを使用すると良いでしょう。

  • 最終更新:2017-06-08 23:04:46

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