腰方形筋ブロック

※最も臨床に即した神経ブロック指南書



概要

略称はQLB(quadratus lumborum block)です。
TAPブロックより中枢側で穿刺を行い、神経の上流に局所麻酔薬を使用することで鎮痛を行う手技です。
TABブロックはブロック側の前面にしか効きにくい一方で、腰方形筋ブロックはより中枢側からブロックすることで側面の方まで効果が出やすくなります。また効果時間もより長くなりやすく、範囲も広がりやすいことで知られています。
ただし、面を狙うTAPブロックと違い、モニター上の一点を狙うため、やや難易度が上がってきます。
とはいえ、他の神経ブロックと大差があるわけでもありませんし、多少位置がずれていても効くという話もあります。
様々な方法が考案されていて、一概に腰方形筋ブロックを語ることはできませんが、ここでは概論と穿刺方法の代表的なものをいくつか語る程度に留めたいと思います。

実際の手技

※図2は下に記載している動画から引用しています。

1.患者を側臥位(QLB1なら仰臥位でも一応可能)とします。
2.消毒やドレーピングなど、ブロックを行う状態を整えます(これは設備ごとの違いがあるので詳記しません)
3.腹部の正面から側面にかけてプローブを当て、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋の筋肉三層を描出します。
4.そこからエコーを見ながら背側へたどり、目的とするビューを見つけます。筋肉量の少ない人だと腰方形筋が細く、見つけにくい場合もあります。
5.ブロック針を刺し、目的とするところまで進め、薬液を注入します。

図1 図2
   

動画


  • 最終更新:2018-06-21 10:16:51

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