経食道心エコーの基本用語確認

※実践的な経食道心エコー参考書



用語集

シングルプレーン 経食道心エコーのプローブの種類の一つ。軸に直角の横断面のみを表示する。新生児や5kg以下の小児向け
バイプレーン 経食道心エコーのプローブの種類の一つ。軸に直角の横断面と軸に平行の縦断面を表示できる。7kg以下の小児向け。
マルチプレーン 経食道心エコーのプローブの種類の一つ。トランスデューサ―の角度を0~180°まで設定できる。現在最もよく使用されているタイプ。
Mモード計測 Mモードで構造の厚みを計測する場合、前方縁から前方縁までの距離を測定するように推奨されている。
断層法での計測 断層法では後方縁から前方縁までの距離を測定するように推奨されている。
センターライン法 内径短縮率を計算する方法。拡張末期と収縮末期の輪郭の間に中間線を書き、100本に分割することで標準化する。
拡張末期 拡張期の終了時点のこと。心電図上でQ波の位置に相当する。
固定軸法 拡張期の断面像を用いてコンピュータによって計算された中心点を基にして心内膜面の輪郭をなぞる方法。
浮動軸法 各時相の画像ごとに新しい中心点をコンピュータで再計算する方法。心周期による中心点の移動や回転がある場合には望ましいとされる。
視覚的評価法 eyeballing法とも言う。駆出率を5~10%刻み程度で視覚的に判断する方法。評価者の経験と主観が入るが、手術室では最も一般的に用いられる。
Simpson法 左室容積の測定法。計測対象である左室腔を一定の厚みのあるスライスに分割し、その総和を容積とする方法。多くの短軸像を測定する必要があるため手間がかかる。
Modyfied Simpson法 左室容積の測定法。二腔像と四腔像のおおむね直交する二平面を用いて20ディスクの容積の総和から計測する方法。形状のゆがみがある場合には不正確となるが、米国心エコー図学会からは推奨されている。
Single-plane area length法 計測に十分な質の断面像が一つしか得られなかった場合に用いる方法。左室を長い楕円体と仮定して長軸径を測定し、二本の短軸径を測定するか、いくつかの心腔の断面積を測定することで計算する。
面積駆出率(FAC) ME中部短軸断面で収縮期および拡張期の面積を求め、計測される駆出率。正常は60%以上
円周短縮率 直径を円周に変換させて収縮指数を得る方法。
Area length法 左室重量の測定方法の一つ。左室を回転楕円体と仮定し、長軸断面で左室長軸と左室内腔面積を測定する方法。米国心エコー学会で推奨されている。
Truncated ellipsoid法 左室重量の測定方法の一つ。長軸断面だけでなく短軸断面も用いる。米国心エコー学会で推奨されている。
ベルヌーイの定理 流体の速さと圧力と外力のポテンシャルの関係を記述する式。
簡易ベルヌーイの式 ベルヌーイの定理から血流の加速、粘性摩擦、近位部の流速を無視することで得られる簡易式。
時間速度積分値 基線とドプラ波形に囲まれた部分の面積値
減速時間 肺静脈血流速度曲線のPVaの幅。血行動態評価の基礎知識参照。
等容性収縮期 緊張期とも。収縮期初期において、大動脈圧>左室圧となっているため、心筋が収縮しているにもかかわらず左室容積の変化がない状態。
等容性弛緩期 拡張期において左室圧>左房圧となっているため、心臓が弛緩しているにもかかわらず左室容積の変化がない状態
ASE17セグメントモデル 心筋の壁運動異常がある場合に位置を正確に伝えるために心臓を17箇所に分類して名前をつけたもの(下図参照)。
心内膜内方運動 局所壁運動異常の評価方法の一つ。心内膜面の移動量、方向で評価する方法(下図)。
収縮期壁厚増加 局所壁運動異常の評価方法の一つ。正常心では収縮期に厚く心周期に同期するが、壁運動の低下があると収縮期に壁厚変化が無く、周期に相反することから壁運動低下を判断する方法。Mモードを用いる。
中心性ジェット 弁輪拡大により逆流ジェットが弁の中心から流出するもの。
偏心性ジェット 弁尖の構造異常で逆流ジェットが非対称性に流出するもの。
僧帽弁の膨張 過剰弁尖運動の表現の一つ。弁尖の一部が弁輪を超えるが、先端は弁輪を超えない状態。
僧帽弁の逸脱 過剰弁尖運動の表現の一つ。弁尖が逸脱し弁輪を超えた状態。
僧帽弁の動揺 過剰弁尖運動の表現の一つ。弁尖が逸脱し先端が浮遊する状態。多くは腱索の断裂を伴う。
拘束性弁尖運動 弁尖の動きが拘束され、正常弁より可動性が低下するもの。偏心性ジェットを伴う。
収縮期前方運動 SAMともいう。心筋の肥大などにより狭窄した左室流出路が僧帽弁を巻き込み、心室中隔側に引き寄せる状態。前尖後尖接合部と心室中隔の距離(C-Sept distance)<2.5 cm、前尖/後尖の長さの比(AL/PL ratio)<1.0、心室中隔肥厚があると生じやすいとされる。
コアンダ効果 粘性流体が湾曲面を伝わる際、その面に引き寄せられる現象。
Wall hugging jet コアンダ効果により偏心性ジェットのうち心房壁に沿うように流れるもの
連続の式 間にリークがない場合に異なる部分を通過する血液の体積は等しいと考える考え方。例えば僧帽弁と大動脈弁の間を通過する血液の量は等しいと考える。
もやもやエコー エコーで認められるもやもやとしたもの。血栓形成傾向と関連があるとされている。
pressure recovery現象 血流は圧エネルギーと流速エネルギーがあり、狭窄部を通過する際に流速をあげるために減少していた圧エネルギーが、狭窄部を通過後に圧エネルギーを回復させる現象(下図)。上行大動脈径30mm以下で起こりやすい。
 

画像

ASE17セグメントモデル

zu5_14.jpg 1.心基部下壁中隔
2.心基部下壁
3.心基部下側壁
4.心基部前側壁
5.心基部前壁
6.心基部前壁中隔
7.中部下壁中隔
8.中部下壁
9.中部下側壁
10.中部前側壁
11.中部前壁
12.中部前壁中隔
13.心尖部中隔
14.心尖部下壁
15.心尖部側壁
16.心尖部前壁
17.心尖
※引用サイト:虚血性心疾患

心内膜内方運動

心内膜内方運動.jpg

pressure recovery現象

※この現象のため、左室流出路→狭窄大動脈弁→大動脈と移動する際に下図のような圧変化が生じます。
※カテーテル検査では左室流出路と大動脈の圧較差を確認しますが、エコーでは左室流出路と狭窄部の圧較差を見るため、狭窄が大きいときにはエコーの方が圧較差を過大評価をしてしまいます。
11009_gr1.jpeg
引用サイト:JACC journal

  • 最終更新:2017-03-16 09:23:42

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