甲状腺癌

※合併症麻酔に一歩深い知識を



分類

※MEN2型の分類
MEN2A 甲状腺髄様癌、褐色細胞腫、副甲状腺腫または過形成(甲状腺機能亢進症)を伴うもの。
MEN2B 甲状腺髄様癌、褐色細胞腫、粘膜神経腫、マルファン症候群様体格を合併するもの。
家族性髄様癌 家族性に髄様癌を生じるもの。その他の合併症はない。
その他 MEN2型の内上記に当てはまらないもの

概要

甲状腺癌は癌の中でも気道に近いため物理的にも特殊な管理が必要となります。
また、バイタル管理にも重要な内分泌臓器であるため、その影響もあります。

麻酔管理としては特に以上の2点を念頭に置く必要があるでしょう。

注意点

① 甲状腺癌の浸潤度合いを確認する

甲状腺癌は気道に近く物理的な問題を生じる可能性があります。
まずは画像検査で気道の圧排がないかを確認します。気道の狭窄がある場合にはより細い挿管チューブの使用や、場合によっては意識下挿管などを考慮する必要があります。
また、部位によっては反回神経を巻き込み、反回神経麻痺を生じている可能性があります。耳鼻科に依頼するなどして声門の動きを術前に確認しておく必要があります。

② 合併症の有無を確認する

甲状腺癌は内分泌臓器であるため甲状腺機能亢進症の有無を確認する必要があります。
また、褐色細胞腫や副甲状腺腫なども合併しやすく、様々な内分泌異常を生じる可能性があります。

術前のバイタルを確認するのはもちろんのこと、TSHやT3、T4、血中Caの値などを確認しておく必要があります。

③ 術中管理について

甲状腺摘出であれば、神経の動きを見るために、筋弛緩は使用せずレミフェンタニルなどで鎮静を深めてバッキングを予防する場合があります。耳鼻科に相談しましょう。

手術操作によって副甲状腺を摘出してしまい低Ca血症を生じることがあります。術中はCaをモニタリングし、必要に応じてカルチコールを投与する方が安全でしょう。

④ 術後

術後の神経損傷により特に反回神経麻痺による声帯の動きの低下などがみられる場合があります。また、位置的にも喉頭浮腫を生じやすい位置です。さらに、出血により気道が圧迫されることもあります。
抜管前にカフを抜き、リークがあることを確認してから抜管する方がより安全でしょう。
リークがない場合には20万倍ボスミンを喉頭に噴霧したり、ステロイドの静注を行うなどの対応をする必要があります。

もし甲状腺を摘出している場合には様子を見てチラージンを投与する必要があります。

  • 最終更新:2017-06-08 23:08:05

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