外科的気道確保

※術中術後のトラブルで慌てないために

※このサイトは要点のみを記載するようにしています。きちんと勉強するには成書を参照することを強く勧めます。


概要

外科的気道確保の適用の詳細については気道確保困難(DAM)のページを参照してください。
一般的にはマスク換気ができず、挿管も出来ない状態でラリンギアルマスクなどの声門上器具を挿入しても換気ができない場合が適用となります。
侵襲的な手技になりますので、カプノグラムの不調を換気困難と勘違いするなどの誤診は絶対に避けるようにしましょう。

手技

輪状甲状膜穿刺

※クイックトラック(直接挿入タイプ)とミニトラック(セルジンガーキット)があります。前者は早いですが合併症が多く、後者は合併症は少ないですが、時間がかかります。動画はクイックトラックになります。セルジンガーキットの使用はCV挿入と同じですので、今回はクイックトラックのみの解説といたします。

1.輪状甲状膜を体表から触れます:触れない場合は輪状甲状膜切開に移行
2.輪状甲状膜の位置のうち正中に穿刺します:正中の方が血管が少ないです。また、消毒は省略可能です。
3.陰圧をかけながら穿刺針を挿入する。
4.空気が引けたら数ミリ穿刺針を進め、空気の逆流があることを確認する。
5.外筒を進める。
6.空気がきちんと引けることを確認する。

輪状甲状膜切開

※解説は動画内にありますので参考にしてください。

外科的気管切開

※基本的には熟練した者以外は行わない方が良いです。可能であれば耳鼻科医に依頼した方がいいと思います。もしかしたら必要性が高い上に耳鼻科医に依頼できない状況もあるかもしれませんので、一応手技だけは記載しておきます。

1.輪状軟骨を同定し、マーキングを入れる。
2.2番目の気管軟骨の上に横切開を入れる。
3.正中の靭帯(median fibrous raphe)に向けて皮下切除を行う。
4.筋膜切開を行う。
5.気管と2番目の軟骨を同定する。
6.気管を鈍的に開いていく
7.2番目の気管軟骨に縫合糸をかける。
8.気管をflap状に切開する。出血に対しては吸引を行う。
9.flapを下方に引っ張りカニューレや挿管チューブを挿入する。
10.カフに空気を入れる

  • 最終更新:2017-03-16 09:29:55

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