喫煙

※合併症麻酔に一歩深い知識を



時間経過による禁煙の影響一覧

1時間 ニコチンの半減期
4時間 CO-Hbの半減期(運動中・100%酸素投与中は短縮し、睡眠中は延長する)
3日 CO-Hbの正常化、線毛運動の改善、Htの低下
1週間 肺胞上皮の透過性改善
2週間 喀痰量減少
3週間 ビークフローの改善
6週間 肺機能改善、免疫系の改善、喀痰量正常化、創傷治癒の改善
数カ月 術後合併症の改善
半年 closing volumeの改善
永久 不可逆的な肺機能異常・PaO2

概要

喫煙者の人口が減少傾向にあるとはいえ、まだまだタバコを吸っている人は多いです。
喫煙による合併症は全身に渡り存在しますが、麻酔科医が気にすべきことは主に呼吸器関連や、それに関連する術後合併症の減少でしょう。

注意点

① 何といっても禁煙

喫煙にはPONVのリスクが減少するというメリットはあるものの、それ以上に術後合併症や喀痰の増加などのデメリットが非常に大きく生じてきます。
また、術前だけではなく術後の喫煙でも合併症が生じるとされています。
これを機会に禁煙をすることを勧めた方が良いでしょう。

最低限三カ月程度は禁煙しないと合併症が生じるリスクは上昇します。可能なら延期を検討しても良いでしょう。

② 合併症の確認

喫煙をしていると肺機能の低下はもちろん、血管リスクが上昇しますし、血栓症のリスクの上昇にもつながります。
肺機能検査や血液検査などで合併症の有無を確認する必要があります。

③ 麻酔法の選択

挿管することにより気道のリスクが出現する可能性が上昇します。
可能なら局所麻酔や脊髄くも膜下麻酔などを選択すると良いでしょう。

  • 最終更新:2017-06-08 23:11:20

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