仰臥位

※麻酔科研修必帯の書。ポリクリにも。



概略

仰臥位は最も基本的な体位です。麻酔導入と同様の体位であるため、事故抜管や自己抜去などのトラブルにも最も対応しやすい体位であるとも言えます。

基本的にはベッドに仰向けになるだけです。褥瘡や腰痛予防のために膝下にクッションを入れることも多いでしょう。
また、両手を広げたり、シーツで巻き込んだりなど、手術をしやすいように調整することもあります。

背骨が曲がっており仰臥位を取るのが困難な時でも、少なくとも導入抜管の時は枕を高くしたり方の下にクッションを入れるなどして対応するのが基本です。

圧力のかかりやすい位置

・特にやせ形の場合、肩甲部、仙骨部、腸骨部、踵部に圧力がかかりやすく、褥瘡ができやすいことが有名です。骨が出っ張っている場合にはクッションテープを貼るなどしましょう。
・膝の下にクッションを置いている場合には総腓骨神経が傷害(下垂足)されることがあります。膝下ではなく大腿部に体重をかけるようにし、クッションの柔らかさには気を遣う必要があります。
・枕が固い場合、後頭部に脱毛ができる可能性を指摘されています。特に長い手術の場合、挿管後は柔らかい枕にしましょう。
・肩を広げた場合には腕神経叢が引っ張られることがありますし、肘の角度によっては尺骨神経麻痺(鷲手)が生じることがあります。


仰臥位.jpg

麻酔管理の注意点

・妊娠をしていたり腹部に大きな腫瘤がある場合には下大静脈症候群が生じる可能性があります。

  • 最終更新:2017-04-09 19:03:58

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