SLE

※合併症麻酔に一歩深い知識を



概要

SLE(全身性エリテマトーデス)は特徴的な日光過敏症、蝶形紅斑の他、ループス腎炎、神経障害、関節炎、口腔潰瘍、胸部漿膜炎による胸水、間質性肺炎、環軸椎亜脱臼、レイノー現象、貧血、血小板減少など多様な全身症状を出現させる疾患である。
症状の出方も患者により多様であり、SLEがあるからといって画一的な麻酔法があるわけではない。

注意点

① 病態を正確に把握し、対症療法的な麻酔を。

基本的には病態に対する対症療法的な麻酔となります。すなわち、痙攣があるなら痙攣に準じる麻酔をし、腎不全があるのなら腎不全に対する麻酔法を行うというやり方です。
きちんと評価されていない場合でも、基本的な血液検査、生化学検査、凝固検査、心電図、胸部Xp、呼吸機能検査は必須でとなります。きちんと実施されていることを確認しましょう。弁膜症の合併も多く、可能なら心エコーもあると良いです。
治療のためにステロイドを大量内服していることもありますのでその場合はステロイドカバーも考慮してください。

② 緊急性がないなら症状の急性期に手術を行わない

治療により症状が落ち着く見込みがあるのなら症状が落ち着くのを待っても良いでしょう。これについては膠原病内科や外科医と相談する必要があります。

③ 血栓症のリスクが高いので予防を考える

特に抗リン脂質抗体が陽性の場合、血栓を生じるリスクがあるため、注意が必要でしましょう。
整形外科でターニケットを使用する場合などは血栓の出現は常に念頭に置く必要があります。
場合によってはヘパリンなどによる予防を考慮します。

  • 最終更新:2017-06-08 23:08:17

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